TRPGの魅力
――校舎裏の二人。
「お前、目障りなことしてるんじゃねーよ」
「……何のことだ」
「お前の話なんて、誰も興味なんて持ってねーんだよ」
「はっ、何を言うかと思えばそんなことか」
「……なんだと?」
「興味がなければ聞き流せばいい。別にお前に言ってるわけじゃない」
「てめぇ、どういうつもりだ!?」
「俺の言葉は、俺を信じてくれる人だけに伝わればいい。それだけだ」
TRPGと言うものがある。
簡単に言うと、FFやDQなどのRPGを、コンピュータを使わずにやるゲームだ。
しかし、これには大きな間違いがあることをご存知だろうか。
歴史として、TRPGのほうがFFやDQなどのコンピュータRPGよりもずっと古い。正しくはFFやDQが、コンピュータを使ってTRPGをやるゲームなのである。
前置きはこれくらいにして、本題に移ろう。
私はTRPGが好きである。もちろんコンピュータRPGも面白いとは思うが、たまに物足りなく感じるときもある。
では、TRPGの魅力とは何か。
やはり一つ目は、自由度の高さだろう。キャラクターの行動には無限の選択肢が用意されている。
囚われた姫を助け出すために竜と真正面から戦う必要は全く無いのだ。それこそヤマタノオロチのように、酒を飲ませ、酔ったところで首をたたっ斬ってもいい。
つまり、考え得る限りのすべての行動が許可されているのだ。
そしてもちろん、それらの行動には責任を伴う。他人の家のタンスを勝手に開ければ咎められるし、下手をすればお縄をいただく事になるだろう。
二つ目として、プレイヤー同士のコミュニケーションがある。
コンピュータRPGは基本的に一人プレイだ。すべてのキャラクターを一人のプレイヤーが操作し、行動させる。
それにひきかえ、TRPGは一人一人がキャラクターを一人ずつ操るのだ。
これがまた、何とも楽しい。他人のキャラクターは所詮他人。自分の思い通りには動いてくれない。時には全く想定外のこともしでかしてくれる。
この驚きと面白さは、コンピュータRPGでは味わえない。
そして、ここまで書いて気づいたことがある。
この文章、非常に読みづらい。
以後気をつける。
ゲームシステムの面においても、TRPGには独特の楽しさがある。
そのすべてを伝えることは出来ない。こればかりは実際にやってみないとわからないと思うのだ。
ただ、一つだけ確かなことがある。
TRPGは、ダイスを振るのが楽しい。
それだけは間違いないのだ。事実、ゲーム中に何もなくてもダイスを振っている人間は多い。それこそうるさいくらいに。
さて、ざっとTRPGの魅力を語ってみた。この文章を読んだあなたがTRPGに興味を持ってくれたかはわからないが、もしも興味が沸いたのならば、TRPGを体験してみてほしい。
少なくとも、家に一人でいるより社会的に健康なはずだ。